妖怪、特にお狐さま好きなので、近所に残るネタを一つご紹介します。
上伊那は狐が多く伊那市に狐島という地名もありますが、不思議と狐関係で有名な昔話が見当たりませんね。
狐も玄蕃丞のように、人名で呼ばれるようになれば、狐族中の名士格であろうが、伊那谷にはこれほどの名狐はおらなかった。わずかに、伊那谷美篶の六道原に、”すずかけ狐”の名で呼ばれる狐がいたくらいのものである。頸のあたりに”ずず”(数珠)をかけたようなまだらがあった故の呼称であるが、玄蕃丞には遠く及ばない存在である。
続々 狩りの語部(出版 – 法政大学出版局 1978年) 42頁より引用
”鈴懸”とは、山伏の用いる修験十六道具の一つで、法衣のことですね。見た目は鈴とはまったく関係ありません。
同じ読みですがこの狐の場合は名の由来から、単純に”鈴掛け”でしょう。