南アルプス山麓探訪

三軒岩小屋沢

CATEGORY:自然

三峰川源流部をひたすら遡って行くと、地蔵岳から仙丈ヶ岳へと続く地蔵尾根のすぐ下で、その流れを90度変える場所があります。

そこが三軒岩小屋沢さんげんいわごやさわと呼ばれる場所です。

地元の古い猟師や山師の間では、親しみを込めて「三軒茶屋」とも呼ばれています。

下流部から。

両岸が切り立った岩盤に挟まれた回廊になっています。

写真では白飛びしていますが、実際には奥に仙丈ヶ岳の稜線が見えています。

霊峰仙丈ヶ岳へ続く参道といった趣のある場所。

三軒岩小屋沢

三軒岩小屋沢の下流部。後述する真ケ沢しんがさわとの合流地点近くです。

川岸に広場があり、縦走登山者のキャンプ地となっています。

三軒岩小屋沢 - 下流側 - Spherical Image - RICOH THETA

三軒岩小屋沢の中ほどです。

昭和57、58年の台風被害により、沢はほとんどすべて土砂に埋もれてしまいました。

かつては岩壁一杯に広がる巨大な淵が2,3連なり、高巻きするか泳ぎでもしないかぎり、上流部へは辿りつけなかったと云います。

この淵は一つ一つが白神山地の青池を巨大にしたようで、高い透明度を誇るにも関わらず、水底が見えないほど深かったそうです。

本来あったこの淵が沢の名前の由来になっているのでしょう。

今では決して見ることができませんが、尺イワナや二尺イワナが真っ黒に群れて泳いでいたとか。

三軒岩小屋沢 - 中間

両岸から迫る岩壁はとても迫力があります。

かつてここにあった淵は一体どんなスケールだったのでしょうか。

三軒岩小屋沢 - 中間 - Spherical Image - RICOH THETA

岩の回廊を抜けたところ。

一気に開けた感じになります。

三軒岩小屋沢 - 上流側 - Spherical Image - RICOH THETA

三軒岩小屋沢を抜けると、木々が繁っているものの仙丈ヶ岳の稜線を望むことができます。

三軒岩小屋沢 - 仙丈ヶ岳稜線を望む

沢を抜けて少し登ると滝が見えてきます。

残念ながらクライミング装備がないと、登れるのはここまでです。

この滝も昭和57、58年台風の前は倍ほどの高さがあったそうです。

また、台風直後は大量の土砂が堆積し、簡単に登れる状態であったとか。

少しずつ土砂が流されて現在の高さで落ち着いています。

三軒岩小屋沢 - 上流の滝

滝の全天球画像。

岩壁には大量のイワカガミが咲いていました。

三軒岩小屋沢 - 上流の滝 - Spherical Image - RICOH THETA

三軒岩小屋沢から北へまっすぐ伸びる真ケ沢。

ここを登ると地蔵尾根に出ます。

真ケ沢

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澤崎文仁sawasaki

1982年7月14日生まれ。狩猟、山菜・キノコ採り、釣り、キャンプなど一年を通して山遊びしています。2019年台風19号により山奥は荒れ放題になり、なかなか行きたいところに遊びに行けてません。最近はゆるいブッシュクラフトがマイブーム。