杖突街道の頂上(中央道晴ヶ峰カントリークラブ)から林道を入笠山方面へ入っていくと千代田湖に着きますが、そのすぐ北側にこの峠があります。今ではただの山道に見えますがかなり歴史のある場所で、かつては参勤交代の主要路として使われ、伊那方面から甲州へ抜けるのに活用されていました。大名行列が通過する光景を見てみたいものです。
金沢峠は高遠町の松倉から茅野市金沢の大池、またはJR青柳駅に通ずる峠である。諏訪側からは松倉峠と呼ばれている。高遠藩士坂本天山に学んだ江戸末期の学者中村元恒の『伊那古道記』には、峠の名の由来にちなんで、「金沢は古くは青柳といい、古い伝えに青柳より金を掘り出してより、改めて金沢と言うなん」と記される。
(中略)
江戸時代になって元禄期(一六八八~一七○四)の頃から、この金沢峠は参勤交代の正式ルートとなり、高遠・飯田藩主や幕府諸役人の江戸往還で賑わうようになった。しかし、明治九年(一八七六)に杖突街道が仮県道に指定されてから、以後だんだんと寂れてしまった。
登りつめて峠に立つと、雄大な八ヶ岳の山塊が眼前近く天空にそそり立ち、左に続いて蓼科山や霧ケ峰の優美な稜線が展開し、すばらしい眺めである。
信州百峠 (出版 – 郷土出版社 1995年) 164頁より引用
入口に詳しい解説が書かれた看板が設置されています。
金沢峠入口。
車道がヘアピンカーブになっており、そこから峠道が山中へと続いていきます。
カーブを右へ降りると千代田湖、左へ登ると入笠山方面へ行けます。
金沢峠 - Spherical Image - RICOH THETA