南アルプス山麓探訪

岳沢越し

CATEGORY:古道

以前、「岳沢越し 別ルートの探索」という記事を書きましたが、以外に早くまた行ける機会があったので、今度はちゃんと昔のルートを辿って歩いてきました。

行ってきた感想ですが、とにかくどんどん山が荒れていますね。

もし挑戦してみたい方がおられれば、必ず行ったことのある人と同行するのが良いでしょう。

まずは丸山谷南沢の奥の分岐(番台跡)まで行き、右手の沢を登っていきます。

岩がゴロゴロなのでよじ登っていくと、途中で滝にぶつかります。

この滝の手前左手に、滝を巻くルートの昔の目印がわずかに残っています。

岳沢越し - 南沢奥の滝

滝を過ぎるとはるかに尾根まで続く大ナギ(大崩落地)に出ます。

ここも昭和57、58年の台風の頃に崩落したようです。

この大ナギの場所にかつては歩きやすい山道があったのですが、すべて流されてしまいました。

つまり昔本来のルートはここでナギの右岸から左岸へ抜けていたのです。

忠実に昔の道を辿ろうと思うと、このナギの中ほどを渡る必要がありますが、ここはちょうど粘板岩の地層になっており、非常に岩が脆い上、土も粘土質です。

帰り道に敢えて挑戦してみましたがとても崩れやすく滑り易いのでお勧めできません。

ナギの中ほどでは、昔の目印が付いたままの木片が落ちていたのを見かけました。

岳沢越し - 大ナギ

大ナギ上部から下を見下ろします。

もし足を滑らせれば下まで直行便ですね。

それでも岳沢越しするにはこの大ナギを越えなければならないので、左岸でも右岸でも登っていくより仕方ありません。

今回の登りでは右岸を行ってみましたが、頂上近くになると前回登った尾根同様、シラビソやらカンバやらの幼木が密生し非常に歩きづらい。

岳沢越し - 大ナギの上部より

岳沢越しのある稜線上はこんな感じです。

風倒木が多くちょっと道を外れると相当歩きづらい。

前回、別の尾根から登ったときはこれのせいで迷子になりました。

GPSを持っていたのに使わずに、意地でも眼で目印を見つけたかったということもありますが…

岳沢越し - 稜線

岳沢越しの峠道。

この辺だけ他よりは歩きやすいです。

ここまで来ると目印が大量に付けられており、三峰川へは簡単に降りることができます。

下り道は直線で300mほど。

岳沢越し - 鞍部 - Spherical Image - RICOH THETA

下りだすとあっという間に三峰川源流部です。

今回、目印が分かりづらかったり古くなっている箇所に新しくピンクテープを巻いてきました。

岳沢越し - 三峰川に到着

三峰川到着箇所の全天球画像。

最近も誰かがキャンプした跡が残っていました。

岳沢越し - 三峰川 - Spherical Image - RICOH THETA

せっかくここまで来たので三軒岩小屋沢まで辿りました。

道中の三峰川の風景を少し紹介していきます。

岳沢越し - 三峰川源流部1

残念ながらヤマトイワナの泳ぐ姿は撮影できませんでした。

非常に透明度が高く、冷たい。あっという間に手がかじかみます。

岳沢越し - 三峰川源流部2

いたるところにテンカラ(天然カラマツ)などの流木があります。

場所によっては非常に歩きづらいです。

岳沢越し - 三峰川源流部3

歩きやすい河原はほっとしますが、こんな場所は少なめ。

岳沢越し - 三峰川源流部4

登るにつれ岩場が多くなってきました。

岳沢越し - 三峰川源流部5

岩&流木のコンボ。

こんなところばかりだと嫌になってきます。

三峰川紹介はここまで。この先は三軒岩小屋沢の記事をお読みください。

岳沢越し - 三峰川源流部6

帰り道、昔のルートから大ナギ左岸を下ります。

写真のような感じですが、しばらくはまだ歩きやすい。

岳沢越し - 大ナギ左岸

大ナギより、遠く二児山を望みます。

写真の位置より少し下でこの大ナギを横切り、元のルートへ戻りました。

同行者がいる場合は落石に超!注意が必要です。

岳沢越し - 大ナギを下る

今回、昔のルートの痕跡がわずかながら残っていることを確認できました。

現在は正解と言えるルートはなく、大ナギも悪天候時には崩落を続けているため、行く度に道を見出していかないといけない状態です。

それでも大ナギさえクリアできれば、昔のルートに沿った方が歩きやすいと思います。

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澤崎文仁sawasaki

1982年7月14日生まれ。狩猟、山菜・キノコ採り、釣り、キャンプなど一年を通して山遊びしています。2019年台風19号により山奥は荒れ放題になり、なかなか行きたいところに遊びに行けてません。最近はゆるいブッシュクラフトがマイブーム。